Wireless Power Transfer (WPT)
Sensors 誌の総説「Wireless Power Transfer: Systems, Circuits, Standards, and Use Cases」(Van Mulders ら、第22巻5573、2022年7月26日)は、ワイヤレス電力伝送(wireless power transfer、WPT)を、機器を遠隔から接点なしで充電するきわめて便利な手段と位置づけている。
同総説は技術概念を、電磁的に結合する系、結合しない系、そして音響を用いる技術に分けて概観する。扱われる解は、ミリワットからメガワットまでの電力を、ミリメートルからキロメートルまでの距離にわたって伝送するものであり、kHzからTHzまでの波の概念を利用する。
同総説によれば、コネクタを避けられることは充電時の利便性にとどまらない。非接触であるため腐食や粉塵・水分の侵入を避けられて信頼性が高まり、医療機器のように完全に密閉して容易に消毒できる衛生上の利点も生まれる。機器がその場で充電できることで稼働可能時間を延ばせる。
同総説は、主たる課題が伝送の効率と到達距離にあるとし、ビームフォーミング、中継器の導入、ハイブリッド方式といった、到達範囲と効率を高める手法に注意を向けている。規格と規制、安全性に関する議論も設計上の要点として挙げられている。