Biosensor
Engineering in Life Sciences 掲載の用語解説は、バイオセンサという語の成り立ちを整理している。1987年に Turner は、この種の装置が生物学的な感知要素をトランスデューサに接続または一体化したものから成ると記述した。この記述は文献で広く採用され、1992年に国際純正・応用化学連合(IUPAC)が定めた電気化学バイオセンサの定義の基礎となった。
他の化学センサとの決定的な違いは、受容体すなわち認識要素をもつ点にある。同解説は、分子レベルの生体認識要素と物理化学的な読み出しを備えた装置に限らず、生きた生物系を物理的・化学的手法で計測する場合や、生物系そのものを感知に用いる場合まで含めてこの語を捉え直すことを提案している。金ナノ粒子やグラフェン、ハイブリッドナノ材料といった材料の進展が感度の改善に寄与してきた。
ポイントオブケア検査やウェアラブル機器として医療の現場に広く入っている。水質や土壌の分析、大気汚染の監視といった環境計測にも用いられ、食品分野では収穫前の段階から工程内の品質管理、包装まで供給網の各段階で利用されている。検査を中央の検査室から現場へ移す方向と整合するため、装置の小型化と自動化、機械学習による信号解析の組み合わせが実用化の鍵となる。