燃焼プラズマ

Burning Plasma

プラズマ加熱の大部分が、熱化したプラズマイオン同士の核融合反応でまかなわれる状態を指す。核融合で生じたエネルギーが粒子衝突を通じてイオンを加熱し、この自己加熱の出力が外部加熱を上回ったときに燃焼プラズマの領域に入る。加熱がすべて核融合でまかなわれる状態は点火と呼ばれる。

詳細

概要

燃焼プラズマとは、プラズマの加熱の大部分が、熱化したプラズマイオンによる核融合反応からもたらされる状態を指す。核融合で放出されたエネルギーが粒子衝突を通じて熱化したイオンを加熱し、この自己加熱の出力が外部からの加熱を上回ったとき、プラズマは燃焼プラズマの領域に入る。加熱がすべて核融合の放出エネルギーでまかなわれ、外部加熱なしに温度が維持される状態は点火と呼ばれる。太陽は点火に達した燃焼プラズマの例であり、45億年にわたり水素の核融合を続けている。

技術的な要点

重水素・三重水素反応では、生じるアルファ粒子が電荷を持つため磁場に閉じ込められ、プラズマ内に留まって加熱に寄与する。自己加熱の割合が高まると、加熱、輸送、閉じ込めが相互に結合した非線形の系となり、外部加熱で制御していた領域とは異なる振る舞いを示す。そのため、燃焼プラズマの物性そのものが研究対象となる。核融合に必要な温度まで到達させる外部加熱の手段としては、抵抗によるオーム加熱、中性粒子ビーム入射、高周波電磁波の三つが用いられる。

産業での位置づけ

国際協力で建設が進むトカマク装置ITERは、500MWの核融合出力を400秒間発生させ、自己加熱の出力が外部加熱の2倍を超える状態を実現することを目標としている。燃焼プラズマの実現は発電実証に向けた前提条件であり、各国の核融合研究計画において中心的な目標に位置づけられている。