Cancer Treatment Vaccine
米国国立がん研究所(NCI)は、治療用がんワクチンを「体が本来もつがんへの防御力を強めることでがんを治療する免疫療法の一種」と説明している。同機関は、がん予防ワクチンとの違いを明確に区別しており、治療用がんワクチンはすでにがんに罹患している人に用いるよう設計されたものであり、がんを引き起こす原因に対してではなく、がん細胞に対して働くとしている。
NCI の説明によれば、治療用がんワクチンは腫瘍関連抗原を標的とする。腫瘍関連抗原とは、がん細胞に存在し、正常細胞には存在しないか存在量が少ない物質である。ワクチンは免疫系がこれらの抗原を認識して反応することを学習させ、当該抗原をもつがん細胞を破壊させる。
NCI は治療用がんワクチンの作り方として3つの方向を挙げている。患者自身の腫瘍細胞から作り個別の応答を引き出すもの、同じ種類のがんをもつ複数の患者に有効な共通の腫瘍関連抗原を用いるもの、患者自身の樹状細胞を用いて腫瘍抗原への免疫応答を促すものである。個別化の度合いと製造の負荷がこの3方向で異なる点が、開発上の設計判断になる。