ケミカルリサイクル

Chemical Recycling

廃棄物に化学的な処理を施し、原料に戻してから再利用する方式。溶かして成形し直すマテリアルリサイクルとは、原料段階まで戻す点で異なる。日本では油化、ガス化、コークス炉化学原料化、高炉原料化、原料・モノマー化の5種類に整理されており、PETボトルの原料化は日本が先行して実用化した。

詳細

概要

プラスチック循環利用協会は、ケミカルリサイクルを「廃棄物に化学的な処理をして、原料にもどしてからリサイクルすること」と説明している。使用済みプラスチックを溶かして成形し直すマテリアルリサイクルとは、原料の段階まで戻す点で異なる。

技術的な要点

日本では次の5方式に整理されている。油化は使用済みプラスチックを油に戻す方法で、技術は1970年代後半までに確立したものの、必要なエネルギーと処理工程の負担が大きく、大規模設備は2010年までに停止した。ガス化は混合プラスチックを熱で分解して水素と一酸化炭素を得る方法で、アンモニアなどの原料になる。コークス炉化学原料化は廃プラスチックを蒸し焼きにして、製鉄用のコークスと炭化水素を得る。高炉原料化はコークスの代替として製鉄工程に投入する方式で、資源の節約と二酸化炭素排出の削減につながる。原料・モノマー化は化学分解によって元のモノマーや原料を回収する方法で、繰り返し再生できる。日本はPETボトルでこの技術を先行して実用化した。

産業での位置づけ

方式ごとに必要な設備規模、投入エネルギー、受け入れられる廃棄物の品位が異なる。油化の事例が示すように、技術が成立していても運転コストが見合わなければ設備は維持されない。回収から選別、分解、精製までの一連の工程を通して採算が立つかどうかが事業化の判断材料になる。