協働ロボット

Collaborative Robot

安全柵で人と隔離せず、同一の作業空間を人と共有して稼働させることを前提としたロボットシステム。ISO/TS 15066:2016が、安全適合監視停止・ハンドガイド・速度分離監視・出力および力の制限という4つの協働運転方式と、人体各部の疼痛閾値データに基づく設計指針を示した。

詳細

概要

人とロボットが同じ作業空間を共有することを前提としたロボットシステムを指す。ISO/TS 15066:2016は、この構成のリスクを評価し制御するためのデータに基づく安全指針を与える技術仕様である。

技術的な要点

同仕様は4つの協働運転方式について指針を示す。安全適合監視停止、ハンドガイド、速度分離監視、そして出力および力の制限(パワー・アンド・フォース・リミティング)である。とくに出力・力制限方式については、人体各部位の疼痛閾値に関する研究データが収載されており、人と機械が偶発的に接触した場合でも痛みや傷害に至らないという考え方が基礎に置かれている。ISO 10218-1およびISO 10218-2に従って実装された出力・力制限アプリケーションの一部では、人と機械を隔離する従来型の防護柵や保護装置が必ずしも必要でなくなるとされる。なお2025年3月に改訂されたISO 10218シリーズには、ISO/TS 15066の協働アプリケーションに関する内容が取り込まれた。

産業での位置づけ

安全柵の設置面積と設備投資を減らせるため、多品種少量生産や人手不足の現場での導入が進む。ただし安全性はロボット単体ではなく、ツール・ワーク・作業レイアウトを含むアプリケーション全体のリスクアセスメントで決まる。製品仕様の比較だけでは導入可否を判断できない点に注意が必要である。