Critical minerals
米国地質調査所(USGS)は重要鉱物を「米国の経済安全保障または国家安全保障に不可欠であり、かつ供給網が途絶に対して脆弱な非燃料鉱物または鉱物材料」と定義している。製造において不可欠な機能を担い、供給が途絶えれば経済や国家安全保障に重大な影響が及ぶものが対象となる。法的な枠組みは 2020 年エネルギー法にあり、内務省が少なくとも 3 年ごとに一覧を見直し、関係省庁の意見と連邦官報を通じた公募意見を踏まえて指定を確定する手続が定められている。
指定の判断は単体の資源量ではなく供給網全体の構造で行われる。製錬・精製・部材化の各工程が特定地域に集中していれば、鉱石の産出が分散していても脆弱性は残る。蓄電池分野ではリチウム、コバルト、黒鉛、ニッケルなどが典型例であり、とくに負極材の加工工程が地理的に偏在していることが指摘されている。対策としては、当該鉱物を使わない材料系への置換、使用済み製品からの回収、国内の加工能力の構築が挙げられる。
蓄電池、モータ用磁石、半導体、風力発電など脱炭素関連の需要増加を背景に、調達戦略が技術選択そのものを規定する場面が増えた。特定鉱物に依存しない化学系を採用すること自体が、事業上の差別化要因として扱われている。