シクロデキストリン

Cyclodextrin (CD)

グルコースがα-1,4結合で環状につながった環状オリゴ糖である。外側が親水性、中央の空孔が親油性という構造を持ち、難溶性分子を空孔に取り込む包接複合体を形成するため、医薬品の可溶化剤や輸送体として用いられる。環サイズによりα体・β体・γ体があり、水溶性を高めた化学修飾誘導体も広く使われる。

詳細

概要

シクロデキストリンは、出典の記述によれば「α-1,4結合したグルコース単位から成る環状オリゴ糖で、親水性の外表面と親油性の中央空孔を持つ」化合物である。グルコース単位の数により、α体(αCD)、β体(βCD)、γ体(γCD)が天然物として知られる。βCDは溶解度が最も低い一方で、空孔径が最も適しているとされる。

技術的な要点

機能の中心は包接複合体の形成にある。出典は、シクロデキストリンをホスト分子、薬物をゲスト分子と呼び、薬物分子の一部を中央空孔に取り込むことで複合体を作ると説明する。この結合は共有結合ではなく、空孔の大きさとゲスト分子の疎水性部位の形状に依存する。天然のβCDは水溶性が低いため、水酸基を化学修飾した誘導体が用いられる。出典は2-ヒドロキシプロピル-βCD(HPβCD)を、天然のβCDより溶解度が高い誘導体として挙げ、こうした水溶性誘導体が医薬品製剤で一般に使われるとしている。複合体の見かけの溶解度は、シクロデキストリン自体の溶解度と複合体の安定度定数の両方に支配される。

産業での位置づけ

難溶性薬物の可溶化、揮発成分の安定化、苦味のマスキングなど、製剤設計の補助材料として広く使われる。加えて、空孔にコレステロールなど内因性の脂質を取り込む性質を利用し、シクロデキストリン誘導体そのものを有効成分として開発する例もある。用途に応じて、環サイズと置換基の選択、置換度の管理が設計上の要点になる。