Direct Air Capture (DAC)
IPCCは直接空気回収(DAC)を「周囲の大気からCO2を回収して純粋なCO2流を生成する化学的プロセス」と定義する。回収したCO2を地中に貯留する場合はDACCSと呼ばれ、二酸化炭素除去(CDR)に分類される。
主流は二方式ある。固体吸着材を使うS-DACは比較的低温の熱で再生でき、ヒートポンプや地熱などの再生可能エネルギー由来の熱を利用できる。液体溶媒を使うL-DACは最高900℃程度の高温熱を必要とし、現状では天然ガスに依存するが、その燃焼由来のCO2も併せて回収する構成をとる。大気中のCO2濃度は排ガスに比べて桁違いに低いため、投入エネルギーと接触装置の規模がコストを支配する。IEAは2022年時点でカナダ・欧州・米国で18基のDAC設備が稼働しており、アイスランドの最大級の設備で年間4,000トンCO2を貯留向けに回収していると報告している。
大規模プラントのコストはCO2 1トンあたり125〜335米ドルと見積もられており、再生可能エネルギーの条件が良い立地では2030年までに100米ドルを下回る可能性があるとされる。コスト低減の余地が大きく、素材(吸着材)とプロセス工学の両方が投資対象になる領域である。