ダイバータ

Divertor

トカマク型核融合装置の真空容器内に設けられ、核融合反応で生じた熱と灰を排出し、プラズマの不純物混入を抑え、周囲の壁を熱負荷と中性子負荷から保護する構造物である。ITERでは垂直ターゲットの熱流束が定常で10MW/m2、緩やかな過渡現象で20MW/m2と見積もられている。

詳細

概要

ダイバータは、核融合装置の真空容器内に設置される構造物であり、核融合反応で生じた熱と灰を取り出し、プラズマの不純物混入を最小限に抑え、周囲の壁を熱負荷および中性子負荷から保護する役割を担う。磁力線を容器内の特定の受け板へ導く磁場配位と組み合わせて機能し、プラズマ対向機器のなかでも最も過酷な条件に置かれる部位である。

技術的な要点

ダイバータの垂直ターゲットが受ける熱流束は、ITERでは定常状態で10MW/m2、緩やかな過渡現象時には20MW/m2と見積もられている。この条件に耐えるため、装甲材には金属のなかで最も融点が高いタングステンが用いられ、垂直ターゲットは能動的な水冷によって除熱される。プラズマ対向材料には、熱負荷への耐性に加え、中性子照射による特性劣化、燃料の滞留、スパッタリングによる不純物発生の抑制が同時に求められ、材料選定と接合構造が設計上の制約となる。

産業での位置づけ

熱と粒子の排出は核融合装置を定常的に運転するうえでの主要な制約条件であり、装置設計における中心的な工学課題とされている。材料開発、異材接合、冷却構造、遠隔保守を含む複合的な技術領域であり、実証炉に向けた設計検討では、閉じ込め性能と両立する排熱方式の選定が焦点となる。