エンタングルメントスワッピング

Entanglement Swapping

直接相互作用したことのない二つの量子ビットの間にもつれを生成する操作である。二組のもつれ対からそれぞれ片側を取り出し、中間ノードでベル状態測定を行うことで実現する。量子中継器がもつれを長距離へ延伸するための基本原理であり、量子ネットワークの構成要素となる。

詳細

概要

二組のもつれ対があるとき、それぞれから一方の量子ビットを取り出して中間ノードでベル状態測定を行うと、測定に関与しなかった残りの二つの量子ビットの間にもつれが生じる。この二つは一度も直接相互作用していない。

技術的な要点

文献では、この性質を推移性として説明している。すなわちq0とq1がもつれ、q2とq3がもつれている状態でq1とq2を測定すると、q0とq3がもつれる。測定結果に応じて片側にユニタリ操作を施して基準となるベル状態へ揃えるのが一般的な手順であり、この補正を省く簡略化プロトコルも提案されている。測定結果を伝える古典通信が必要なため、もつれ生成のレートは区間の伝搬遅延に制約される。光ファイバで敷設される量子ネットワークでは、量子中継器が到達距離を延ばすうえで本操作が不可欠とされる。

産業での位置づけ

量子中継器の各ノードで実行される基本操作であり、実装にはベル測定の成功確率と忠実度、および測定に用いる光学系の安定度が要求される。もつれ蒸留と組み合わせて品質を維持する設計が採られる。

ベル測定を光学素子のみで行う場合は原理的に成功確率が制限されるため、多重化や補助光子による確率の改善が検討されている。