電界放出型電気推進

Field Emission Electric Propulsion (FEEP)

導電性の推進剤から静電的にイオンを引き出して加速する電気推進。NASAの小型宇宙機技術の現状報告は、この方式を含むエレクトロスプレー推進の推力を10〜120マイクロニュートン、比推力を500〜5000秒の範囲としている。インジウムを固体で貯蔵し加熱して使う方式もある。

詳細

米航空宇宙局(NASA)の「State of the Art of Small Spacecraft Technology」は、エレクトロスプレー系の推進について「蒸気圧が無視できる導電性の塩からなる推進剤から、イオンを静電的に引き出して加速する」方式と説明している。電界放出型電気推進(FEEP)はこの系統に属し、液体金属を推進剤に用いる。

推進剤として同報告は EMI-BF4 のようなイオン液体のほか、インジウムを用いる系にも言及している。ジェット推進研究所(JPL)のインジウム式マイクロ流体エレクトロスプレー推進については「インジウム金属を固体の形で貯蔵し、その後に加熱して推進剤として用いる」とし、乾燥質量0.010kg未満で推力20〜100マイクロニュートンを出すとしている。

性能の範囲は、推力が「10〜120マイクロニュートン」、比推力が「500〜5000秒」とされる。推力は小さいが比推力が高く、微小な推力を精密に制御できるため、超小型衛星の軌道保持や編隊飛行、科学衛星の無擾乱制御に適する。

可動部や高圧ガスタンクを必要としない構成を取りやすく、キューブサットのように容積と質量の制約が厳しい機体に組み込みやすい。