遺伝性出血性末梢血管拡張症

Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia (HHT)

血管に複数の異常が生じる遺伝性の疾患である。一部の動脈が毛細血管を経ずに直接静脈へ流れ込む動静脈奇形が生じ、毛細血管という緩衝を欠くまま高い圧力の血液が静脈へ流れ込むため血管が拡大する。皮膚表面近くに現れたものは赤い斑点として視認でき、テランジエクタジアと呼ばれる。ACVRL1、ENG、SMAD4などの遺伝子の変異が原因として挙げられている。

詳細

概要

米国立医学図書館の MedlinePlus Genetics は、遺伝性出血性末梢血管拡張症を血管に複数の異常が生じる疾患と説明している。通常の循環では、心臓から高い圧力で動脈へ送り出された血液が細動脈と毛細血管を経て組織へ酸素を供給し、圧力が十分に下がってから静脈へ入って心臓へ戻る。この疾患では一部の動脈血が毛細血管を介さず直接静脈へ流れ込む。

技術的な要点

毛細血管という緩衝を欠くため、高い圧力の血液が壁の薄く弾性の乏しい静脈へ流れ込む。その結果として血管が引き伸ばされて拡大し、周囲の組織を圧迫したり刺激したりすることがある。この異常な連絡を動静脈奇形と呼び、皮膚表面近くに生じて赤い斑点として見えるものをテランジエクタジアと呼ぶ。原因となる遺伝子として ACVRL1、ENG、SMAD4 などが挙げられている。

産業での位置づけ

鼻出血は一般人口でも頻度が高い症状であり、この疾患に固有の所見と見分けにくい。希少疾患であることから、異常なシグナル伝達そのものを是正する治療法の開発対象となっており、抗体や低分子を用いる創薬企業のパイプラインに現れる。鼻出血は一般人口でも頻度が高い症状であるため、この疾患に固有の所見と見分けにくい点も指摘されている。