赤外線サーモグラフィ

Infrared Thermography (IRT)

物体表面から放射される赤外線を検出し、温度分布を画像として捉える非接触の計測手法である。機械や電気設備の状態監視・診断への適用手順はISO 18434-1で規定され、放射率や反射見かけ温度の補正を行うことで定量的な温度評価に用いられる。電力設備の点検で可視画像と併用される。

詳細

概要

赤外線サーモグラフィ(IRT)は、対象表面から放射される赤外線を検出して温度分布を画像化する非接触の計測手法である。ISO 18434-1:2008「機械の状態監視及び診断—サーモグラフィ—第1部:一般手順」は、機械の状態監視・診断にIRTを適用する際の用語、手順、評価方法を規定している。

技術的な要点

同規格は、各種のIRT手順とその利点、検出した異常に対する重大度判定基準の設定指針、機械に対してIRTを実施する際の方法と安全要求、データの解釈・評価・報告の方法を扱う。定量的なIRTカメラで表面温度を測る場合には、反射見かけ温度、放射率、経路上の減衰媒体の影響を求めて補正する手順が示される。対象は補機を含む機械、流体駆動および電気駆動の設備、熱交換器系などである。

産業での位置づけ

通電部の接触不良や過負荷は温度上昇として現れるため、電力設備の点検では可視画像と熱画像を併用した診断が広く行われる。近年はドローンで撮影した熱画像とRGB画像をAIで解析し、変圧器ブッシングや導体接続部の過熱を抽出する運用が導入されている。

測定対象の表面状態や視野角、周囲の熱源の映り込みが結果に影響するため、撮影条件の統一が経時比較の前提になる。