レーザー誘起前方転写

Laser-Induced Forward Transfer (LIFT)

透明な供与基板に塗布した材料へレーザーパルスを照射し、その反発で材料を受容基板へ射出・堆積させるデジタル印刷技術。マスクやステンシル、ノズルを使わずに微小体積を任意の位置へ転写でき、固体・ペースト・液体のいずれにも適用される。電子実装やバイオプリンティングで用いられる。

詳細

概要

レーザー誘起前方転写(LIFT)は、透明な供与基板の裏面に薄く塗布した材料へレーザーパルスを集光照射し、界面で生じる急激な膨張によって材料を前方へ射出し、対向する受容基板に堆積させる手法である。マスク、ステンシル、ノズルを必要としないため、直接描画型のデジタル製造技術に分類される。

技術的な要点

供与膜は固体薄膜、粘性ペースト、液体インクのいずれでもよく、状態に応じて溶融による転写、デカール転写、気泡およびジェットの形成といった異なる射出機構が働く。一回のパルスで転写される体積はフェムトリットル級まで小さくできる。パルスエネルギー、集光条件、供与膜の厚み、供与基板と受容基板の間隔が転写形状と着弾位置精度を左右する。ノズルを介さないため、粒子を含む高粘度材料でも目詰まりが起こらない。

産業での位置づけ

マイクロエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクス、フレキシブルエレクトロニクス、バイオプリンティングなどで研究と実用化が進む。電子実装の分野では、ステンシル印刷やジェット印刷に代わるはんだペースト塗布方式として検討されている。品種切替がデータ変更だけで済むこと、接続端子ごとに塗布量を個別に制御できることが利点として挙げられる。