レーザー電力伝送

Laser Power Beaming

電力をレーザー光に変換して空間を伝搬させ、受電側の光電変換素子で電力に戻す無線電力伝送方式である。送電側のビーム整形と捕捉・追尾・指向機構、受電側の光電変換効率が性能を決める。配線を敷設できない宇宙機や無人機への給電手段として研究されている。

詳細

概要

レーザー電力伝送は、電力をレーザー光に変換して空間を伝搬させ、受電側の光電変換素子で再び電力に戻す無線電力伝送方式である。マイクロ波を用いる方式に比べて波長が短く、同じ開口径でもビームの拡がりを抑えやすいため、小さな受電面で長い距離を狙える。

技術的な要点

送電側はレーザー光源、ビーム整形光学系、目標の捕捉・追尾・指向機構、排熱系で構成される。受電側は照射波長に整合した光電変換セルを用いる。一般の太陽電池が太陽光一個分程度の広帯域光を前提とするのに対し、受電セルは集中した高い光強度を扱う点が異なる。NASAの技術報告では、垂直多接合シリコンセルを受電素子として連続照射し、光から電気への変換効率23パーセントが得られたと報告されている。運用にあたってはビーム経路の監視と異常時の遮断が前提となる。

産業での位置づけ

応用先としては、軌道上の衛星への補給電力、日陰期間中の電力確保、月面での拠点間送電、無人機の飛行中充電などが挙げられる。既存の衛星が備える太陽電池パネルをそのまま受電面として使える場合には、受電側の追加装備を抑えられる。実証は地上および短距離の飛行体を用いた段階にあり、軌道上での実証が次の課題となる。