液浸冷却

Immersion Cooling

IT機器を誘電性の液体に直接浸して排熱する冷却方式である。液を循環させる単相方式と、沸騰による相変化を使う二相方式がある。空冷より高い熱密度に対応でき、供給水温を高くできるため冷却設備の効率向上につながる。高密度なAI向け計算基盤で採用が進む。

詳細

概要

液浸冷却は、サーバなどのIT機器を電気を通さない誘電性の液体に直接浸して熱を除去する冷却方式である。米エネルギー省のデータセンター設計ガイドは、直接液冷の類型として、ラック背面に空気・液熱交換器を置くリアドア熱交換器、チップ上のヒートシンクを液流路つきの板に置き換えるコールドプレート、そして液浸の3つを挙げている。

技術的な要点

同ガイドは液浸をさらに2方式に分ける。単相液浸は、冷却液分配ユニット(CDU)によって誘電性のオイルまたは液体を電子機器の周囲に循環させ、熱を液へ移す方式である。二相液浸は、IT機器の最高動作温度より低い沸点を持つように設計された誘電性流体を用い、沸騰にともなう相変化で熱を奪う方式である。IT側の循環液には、処理水、グリコール系溶液、非導電性の誘電性流体などが用いられる。液冷は空冷より高い熱密度に対応でき、冷水の供給温度を高めに設定できるため、水側エコノマイザとの組み合わせが容易になる。

産業での位置づけ

高性能計算のデータセンターは、ラック当たりの電力密度が高いことから直接液冷を早期に採用してきた。同ガイドは、2013年には計算ラック当たり60kWが観測され、近年は125kWを超える例があるとしている。AI向けの高密度な計算基盤では、冷却方式の選択が電力・水の使用量と設置可能な立地を左右する。