Microelectromechanical Systems (MEMS)
米国国立標準技術研究所(NIST)は、微小電気機械システム(MEMS)を、センシング、計時、信号処理、生体医療診断において重要な用途を持つ集積デバイスと説明している。MEMS とナノ電気機械システム(NEMS)は、民生品から国防までの市場を根本から変えうる新しい機能をもたらす基盤技術(enabling technologies)と位置づけられている。
NIST の同プロジェクトは、この分野のデバイスが極めて多様であることを前提に、デバイス物理と性能限界の解明を通じて計測科学を進めることを掲げている。具体的には、MEMS/NEMS のための先進的な計測ツールと手法の開発、NIST 内外での精密計測に使えるトレーサブルな MEMS/NEMS センサの開発、MEMS/NEMS の計量標準の策定における主導が挙げられている。成果としては、ヤング率、残留ひずみ、ひずみ勾配、段差高さ、面内長さ、残留応力、応力勾配、厚さを扱う標準物質の開発と、シリコン共振器において原理的な限界に達する性能を実証したことが挙げられている。材料の作り込みがデバイスの品質を左右することを示す例にあたる。
NIST は、MEMS 部品が無線通信、自動車、航空宇宙システム、医療機器、民生品にわたって広く使われるようになったとする。スマートフォンはその代表例で、加速度計、ジャイロスコープ、マイクロフォン、ディスプレイ、RFフィルタと発振器を内蔵する。モノのインターネットの拡大は、センシング・計算・通信があらゆる場所に存在することを要求しており、MEMS はその要求を満たす実装手段として位置づけられる。デバイスが多様であるほど計測と標準の整備が事業化の前提になる、というのが同プロジェクトの立脚点である。