非地上系ネットワーク

Non-Terrestrial Network (NTN)

衛星や高高度プラットフォームに中継ノードまたは基地局機能を搭載して構成する通信網。3GPP は Release 17 で NR 衛星アクセスの規範的要件を初めて規定し、5G NR を使う NR-NTN と、NB-IoT や eMTC を衛星経由で使う IoT-NTN の2系統で標準化を進めている。

詳細

概要

非地上系ネットワーク(NTN)は、衛星や高高度プラットフォームに中継ノードまたは基地局を搭載して構成する通信網を指す。3GPP は NTN を、通常高度8kmから50kmで運用される無人航空機システム(高高度プラットフォーム HAPs を含む)、あるいは各種軌道の衛星コンステレーションに伝送装置を搭載したネットワークまたはその一部と定義している。地上網の規格を延長して衛星区間を扱う点が、従来の衛星通信規格との違いである。

技術的な要点

軌道は高度によって分類される。LEO はおよそ500kmから2,000kmで、遅延は小さいがカバレッジ確保には多数の衛星が要る。MEO はおよそ8,000kmから20,000km、GEO は赤道上空35,786kmで地表に対して静止し、HEO は楕円軌道をとる。搭載ペイロードは2種類ある。非再生型(トランスペアレント)は周波数変換、フィルタリング、増幅のみを行う RF 中継器として動作する。再生型は復調、復号、ルーティング、再変調を行い、基地局機能を衛星上に置く。標準は、5G NR を用いる NR-NTN と、NB-IoT および eMTC を衛星経由で使う IoT-NTN の2系統に分かれる。初期の展開では、端末が GNSS 測位機能を持つことと、トランスペアレント型ペイロードであることが前提とされる。

産業での位置づけ

Release 17 が NR 衛星アクセスの規範的要件を初めて規定した版であり、Release 18 でカバレッジ改善と新たな周波数帯、Release 19 で IoT 向け拡張と再生型ペイロードの対応が進んだ。地上網と同じ規格体系で扱えるため、端末チップセットや基地局ソフトウェアの既存の産業構造がそのまま衛星区間に接続される点が投資上の意味を持つ。