Omnidirectional Mobile Robot
全方向移動ロボットは、車体の向きを変えずに任意の方向へ並進でき、並進と旋回を同時に行える移動ロボットである。平面上の3自由度(前後、左右、旋回)を独立に制御できる場合、ホロノミックな移動機構と呼ばれる。切り返しを必要としないため、狭い空間での取り回しに向く。
Journal of Intelligent & Robotic Systems に掲載された比較研究は、代表的な構成として4輪メカナムホイール(4WD)、3輪オムニホイール(3WD)、2組のスワーブドライブ(2SWD)を取り上げ、それぞれの運動学を扱っている。同研究は、各車輪の速度上限が実際に達成できる移動性能をどのように制約するかを解析しており、方式ごとに出せる速度の分布が方向によって異なることを示している。設計の中心となるのは、指令された車体速度を各車輪の回転速度へ写像する逆運動学と、その写像が成立する条件である。球体を駆動する方式は接地が点接触に近く、荷重の支持と摩擦の確保が設計上の論点となる。
既存設備の間を通す必要がある工場や物流拠点では、切り返しを要しない移動が搬送機の設置面積と動線設計を左右する。複数台を協調させて長尺物や重量物を運ぶ用途、生産ラインの配置を頻繁に組み替える用途でも採用される。