光干渉断層撮影

optical coherence tomography (OCT)

広帯域光源の低コヒーレンス干渉を利用して、対象内部の反射位置を深さ方向に分解し断層像を得る計測法。軸方向分解能は光源のコヒーレンス長で決まり、中心波長880 nm・帯域幅40 nmの条件では眼内で約7マイクロメートルとなる。眼科診断が最大の応用分野である。

詳細

概要

光干渉断層撮影(OCT)は、低コヒーレンス干渉法によって対象内部の反射構造を深さ方向に分解し、断層像として得る計測法である。広いスペクトル帯域を持つ光源はコヒーレンスが低く、参照光路と試料光路の光路長差がコヒーレンス長の範囲に入ったときにのみ干渉が観測される。この性質が深さ方向の選択性を与える。

技術的な要点

軸方向分解能はコヒーレンス長で決まり、δz = (2ln2/π)・λ0²/Δλ_FWHM で表される。中心波長880 nm、帯域幅40 nmの光源では、眼内での軸方向分解能は約7マイクロメートルとなる。分解能は光源の帯域幅で決まり、対物レンズの開口数で決まる横方向分解能とは独立である。方式は大きく二つに分かれる。タイムドメインOCTは参照鏡を走査して深さごとに逐次信号を取得するため撮像速度が遅く画質も劣る。フーリエドメインOCTはスペクトル情報から深さ方向の情報を一度に取得でき、100 dBを超える感度が得られる。分光器で分散させるスペクトラルドメイン方式(SD-OCT)と、光源の波長を高速に掃引する波長掃引方式(SS-OCT)がある。

産業での位置づけ

眼科が最大の応用分野で、走査型レーザ検眼鏡と組み合わせて取得中の眼球運動を追跡し、同一部位を後日再走査する運用が2006年以降実用化されている。