光周波数コム

optical frequency comb

モード同期によって等間隔に並んだ多数の周波数成分を生成する特殊なレーザ光源。光の周波数に対する定規として働き、赤外から紫外までの光周波数を電子回路で扱えるマイクロ波帯の信号に結び付けて、高速かつ正確に測定できる。光時計や精密分光の基盤技術である。

詳細

概要

光周波数コムは、光の周波数を測るための定規として働く特殊なレーザである。赤外から紫外にわたる広い範囲の光の周波数を、高速かつ高い正確さで測定できる。スペクトルが櫛(コム)の歯のように等間隔に並ぶことからこの名がある。

技術的な要点

モード同期と呼ばれる技術により、各パルスに含まれるすべての周波数成分の位相がそろった状態で発振する。その結果、周波数軸上に等間隔の成分が並ぶスペクトルが生成される。光周波数コムは、電波を扱うのと同じように光波を測定・制御することを可能にし、非常に高い光の振動周波数を、電子回路で数えられるマイクロ波帯の信号へ結び付ける役割を果たす。この機構により、光の周波数と時間標準を直接つなぐことができる。

産業での位置づけ

原子の固有振動を数える光時計、分子や原子を同定する分光、LiDARによる測距などが主な応用である。周波数標準と計測の分野における寄与により、Jan HallとTheodor Hänschは2005年のノーベル物理学賞を共同受賞した。近年は共振器を用いた小型化が進み、実験室規模の装置から装置組み込み可能な部品へと位置づけが変わりつつある。