高分子の膜を電解質に用いる燃料電池。米エネルギー省(DOE)によれば、膜は正に帯電したイオンだけを通し電子を通さない。膜の両面に白金を炭素上に分散させた触媒層を設け、その外側にガス拡散層を置いた膜電極接合体(MEA)が中核をなす。バイポーラプレートで多数のセルを直列に積層する。
詳細
米エネルギー省(DOE)の解説によれば、固体高分子形燃料電池(PEM形)の中核は膜電極接合体(MEA)であり、これが「PEM燃料電池の心臓部」とされる。
構成要素は次のとおり。
- 高分子電解質膜: 「正に帯電したイオンだけを伝導し、電子を遮断する」層。車両用では厚さ20マイクロメートル未満のこともある
- 触媒層: 膜の両面に設けられ、炭素上に分散させた白金粒子を含む。アノード側の触媒が水素をプロトンと電子に分け、カソード側では「アノードで生じたプロトンと反応する酸素還元」が起きて水を生成する
- ガス拡散層(GDL): 触媒層の外側にあり「反応物の触媒層への輸送と、生成した水の除去」を担う。ポリテトラフルオロエチレンを塗布した炭素紙などが用いられる
- バイポーラプレート: 「セル間の電気的な導通と、スタックの機械的強度」を与える。ガス流路が加工されており、複数のMEAを直列に積層して実用的な電圧を得る
- ガスケット: 各MEAの周囲を囲み、プレート間に「気密のシール」を作る
比較的低い温度で動作し起動が速いことから、車両や可搬型の発電機に用いられる。触媒に白金を使うため、燃料水素の純度と触媒被毒への配慮が必要になる。