Proton exchange membrane water electrolysis (PEM水電解)
プロトン伝導性の固体高分子膜を電解質に用いて水を電気分解し、水素と酸素を得る方式。米国エネルギー省は、技術開発の出発点となる指標としてシステム効率、資本費、耐久性、電流密度の目標値を公表している。
システム効率は2022年時点で55kWh/kg-H2(低位発熱量基準で61%)であり、2026年目標が51kWh/kg-H2(65%)、最終目標が46kWh/kg-H2(72%)と設定されている。システム資本費は2022年時点の1,000ドル/kWに対し、2026年目標が250ドル/kW、最終目標が150ドル/kWである。スタックの耐久性は2022年時点の40,000時間に対し、2026年目標と最終目標がともに80,000時間となっている。電流密度 とセル電圧の組み合わせは、2022年時点の2.0A/cm2・1.9V/セルから、2026年目標が3.0A/cm2・1.8V/セル、最終目標が3.0A/cm2・1.6V/セルである。同じ電流密度でセル電圧を下げる方向、すなわち装置を小型化しながら電力消費を減らす方向が目標に組み込まれている。これらの目標は高量産による規模の経済を前提としている。
水素製造コストの目標は2026年に2ドル/kg、2031年に1ドル/kgとされている。効率、資本費、耐久性は互いにトレードオフの関係にあるため、単一指標での比較は成立しない。事業評価では、目標のどの軸で優位を主張しているかと、それが実運転時間でどれだけ検証されているかを見る。