Therapeutic Peptide
PMC に収載された総説は、治療用ペプチドを、整然と並んだアミノ酸の連なりから成る独自の一群の医薬品と定義し、分子量はおおむね500〜5000ダルトンであるとしている。
低分子と比べた利点は、より大きな寸法と柔軟な骨格によってタンパク質間相互作用(PPI)の強力な阻害剤として働ける点にある。低分子は相互作用面のごく一部しか覆えない。バイオ医薬品と比べると、製造費用が低く免疫原性も小さい一方で、標的に対する高い特異性と親和性を保つ。欠点は二つある。第一に膜透過性が弱く、細胞膜を越えて細胞内の標的へ到達しにくい。第二に生体内での安定性が低く、アミド結合が生体内の酵素によって加水分解あるいは破壊されやすいため、半減期が短く速やかに排出される。
探索の道筋は複数ある。天然のホルモンや毒液由来の生理活性物質からの同定、タンパク質間相互作用の結晶構造に基づく合理的設計、ファージディスプレイによるスクリーニングが挙げられる。同定後は、骨格の改変、環化、二次構造の安定化といった化学修飾を施して安定性と活性を高める。この修飾の工程が開発の実務上の中心であり、膜透過性と安定性という二つの制約をどこまで克服できるかが適用範囲を決める。