Perovskite solar cell (PSC)
ペロブスカイト結晶構造をとる材料を光吸収層に用いる太陽電池。塗布によって成膜できるため、フィルム基板の上に軽量で曲げられるモジュールを作れる。日本ではNEDOのグリーンイノベーション基金事業で、フィルム型モジュールの量産技術開発が進んでいる。
製造にはロール・ツー・ロール方式が採用されており、工程は発電層形成、電極形成、加工の三つで構成される。フィルムの送り速度は毎分2〜3mで、塗布から乾燥までに5〜6分を要する。モジュール幅は現在30cmで、2025年度中に1m幅への拡大が計画されている。耐久性については、加速試験の結果から10年相当が見込まれるとされる。設置実績としては、大阪・関西万博の西ゲート・バスターミナルの屋根に250mにわたって設置された例がある。幅を広げながら膜厚と品質の均一性を保つことが量産上の主要課題であり、単セルの性能とは別の技術軸になる。
生産能力は2027年に第1生産ラインで100MW、2030年までにギガワット級のラインを構築する計画とされる。軽量でフレキシブルという特性から、荷重制約のある屋根や壁面など結晶シリコンモジュールを設置できない場所が想定用途になる。投資の焦点は研究セルの変換効率ではなく、幅広化、歩留まり、屋外での耐久性の実証にある。