光量子コンピューティング

Photonic quantum information processing

光子の量子状態を情報の担い手に用いる方式。光子は本質的に移動しやすく雑音が小さいため量子ネットワークとの親和性が高い一方、2量子ビットゲートの効率が低く資源のオーバーヘッドが過大になる点が長く課題とされてきた。集積化された光回路と光源・検出器の改良により状況が変わりつつあるとされる。

詳細

概要

SlussarenkoとPrydeのレビュー(Applied Physics Reviews 6, 041303, 2019)は、光子系を量子情報処理と量子ネットワークの双方における有力な候補と位置づけている。単一光子の量子状態は1800年代から発展してきた干渉計の技術によって高い精度で操作でき、光子は本質的に移動しやすく雑音が小さく、量子限界での検出も可能とされる。

技術的な要点

歴史的には、2量子ビットゲートの効率が低いために資源のオーバーヘッドが過大になるという批判があった。同レビューは、集積化されたプラットフォーム、光源と検出器の改良、さらに雑音に強い新しい理論的手法によってこの制約が克服されつつあり、中規模から大規模の量子情報処理に向けた光方式の競争力が高まっていると述べている。

産業での位置づけ

光子はそのまま伝送できるため、装置間の接続や量子ネットワークとの相性がよい。同レビューが光子系を量子情報処理と量子ネットワークの両面で有力な候補と位置づけるのはこの点による。一方で系全体の性能は高効率の単一光子源と検出器の性能に強く依存し、その改良が競争力向上の要因として挙げられている。集積フォトニクスの製造基盤を利用できることは、既存の半導体・光通信産業の設備と人材を転用しやすいことを意味する。