Quantum annealing
門脇忠と西森秀稔の論文(Physical Review E 58, 5355, 1998)は、従来のシミュレーテッドアニーリング(焼きなまし法)に量子ゆらぎを導入する手法を示した。同論文は、量子ゆらぎが状態間の遷移を引き起こし、従来手法における熱ゆらぎと同じ役割を果たすと述べている。
検証には横磁場イジング模型が使われる。横磁場の大きさを時間とともに変化させる操作が、古典的な焼きなまし法で温度を下げていく操作に対応する。同論文は小規模な系について時間依存シュレディンガー方程式を数値的に解き、交換相互作用の異なる複数の場合を比較した結果、同じアニーリングスケジュールを用いるならほとんどの場合で量子アニーリングのほうが高い確率で基底状態に到達したと報告している。
Haukeらのレビュー「Perspectives of quantum annealing: Methods and implementations」は、量子アニーリングを、実用上重要な大規模組合せ最適化問題を効率的に解くことを目標とする計算パラダイムと位置づけつつ、その実現には依然として多くの障害が残ると述べている。ゲート方式の汎用量子計算機とは目的も構成も異なるため、量子ビット数などの指標をそのまま比較することはできない。