量子中継器

Quantum Repeater

光ファイバ中の損失が距離に対して指数関数的に増えるために制限される量子通信の到達距離を、伝送路を短い区間に分割し、区間ごとに生成したもつれを順次接続することで延伸する装置である。量子メモリとエンタングルメントスワッピングを主要な構成要素とする。

詳細

概要

量子状態は複製できないため、古典通信の増幅中継をそのまま適用できない。量子中継器は、伝送路を短い区間に分割し、各区間で生成したもつれを順次つなぎ合わせることで、長距離間のもつれ分配を実現する装置である。

技術的な要点

文献では、損失が光ファイバ長に対して指数関数的に増大するため、多重化、量子中継器、あるいはその組み合わせによって量子ビットを伝送路に通す必要があると述べられている。中継ノードは、隣接区間との間に生成したもつれを保持する量子メモリと、二つの区間のもつれを接続するベル測定にもとづくエンタングルメントスワッピングから構成される。区間ごとの成功を待ち合わせる必要があるため、メモリのコヒーレンス時間、多重化数、光子の波長変換による通信波長帯への整合が到達距離と生成レートを決める。

産業での位置づけ

実装は、ラックに収容してデータセンターや通信事業者の設備に設置できる形態への集約が進む。量子鍵配送の距離制限の解消、分散した量子計算機の接続、量子センサのネットワーク化が想定される用途となる。

性能は最終的に、単位時間あたりに分配できるもつれ対の数と、その忠実度の組で評価される。