Quantum sensing
Degenらのレビュー(Reviews of Modern Physics 89, 035002, 2017)は、量子センシングを「物理量の測定を行うために量子系、量子的性質、または量子現象を用いること」と定義している。超伝導量子干渉計(SQUID)磁束計や原子時計は古くからの例であり、スピン量子ビット、捕捉イオン、磁束量子ビットを共通のプラットフォームとして、近年になって独立した研究領域として立ち上がったとされる。
同レビューが挙げるプラットフォームには、中性原子、捕捉イオン、リュードベリ原子、NMRセンサ、固体中のスピン(単一および集団)、超伝導回路、素粒子、光機械系がある。固体中のスピンの中では、ダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)中心がセンシング用途で最も注目を集めてきたとされる。NV中心は光による初期化と読み出しができる電子スピン欠陥であり、ゼーマン効果、シュタルク効果、温度シフトを利用して磁場、電場、温度、圧力、回転の測定に用いられている。
量子センシングは大規模な量子計算機を必要とせず、単一または少数の量子系で成立する点が量子計算と異なる。同レビューは、高い感度と精度に関して応用物理をはじめとする科学の諸分野に新しい機会をもたらすと述べている。