単一光子源

Single-photon Source

光の量子である光子を1個ずつ、必要なタイミングで高い効率をもって発生させる素子である。実装の一つに半導体量子ドットを用いる方式があり、レーザー励起で高い準位に上がった電子が元の準位に戻る際に光子を1個放出する。量子計算、量子ネットワーク、量子センシング、計測標準に用いられる。

詳細

概要

単一光子源は、光の基本的な量子単位である光子を、必要なときに1個ずつ、ほぼ完全な効率で発生させる素子である。代表的な実装のひとつが半導体量子ドットを用いる方式で、量子ドットはインジウムヒ素などの半導体を三次元的に微小な領域に閉じ込めた構造であり、ガリウムヒ素などの母材中に埋め込んで用いる。

技術的な要点

量子ドット方式では、レーザーパルスで励起すると量子ドットが光を吸収し、電子がより高いエネルギー準位へ遷移する。その電子が元の準位に戻る際に、光子を1個放出する。素子に求められる性能は、必要なタイミングで確実に1個を放出すること、2個以上が同時に出ないこと、複数回にわたり発生した光子が互いに区別できないこと(識別不能性)、および素子から外部へ取り出せる効率である。光子を用いる量子計算では光子同士の干渉を利用するため、互いに識別できない光子を高い確率で供給できることが前提条件となる。

産業での位置づけ

応用先は、識別不能な光子をビットとして用いる量子計算、離れた量子デバイスを結ぶ量子ネットワーク、多光子状態を用いた干渉計測による量子センシング、および計測標準の四領域に大別される。計測分野では、光度の単位の定義や、光子計数による光パワー測定への応用が検討されている。