短波赤外イメージセンサ

short-wave infrared image sensor (SWIR)

シリコンが感度を持たない1000 nmより長い波長域を撮像するイメージセンサ。InGaAsを受光層に用いた素子が代表的で、InP基板上に形成した受光層をインジウムバンプで読み出し回路に接合する構造をとる。専用の製造工程を要するため解像度に制約があり高価である。

詳細

概要

短波赤外(SWIR)イメージセンサは、シリコンの感度が及ばない波長域を撮像するための素子である。シリコンやGaAsのセンサは1000 nmを超える波長に感度を持たないため、この帯域の撮像には別の材料系が必要になる。InGaAsを受光層とするセンサはSWIR領域で高い感度を示し、この用途の中心にある。

技術的な要点

代表的な構造は、InP基板の上にInGaAsの吸収層を形成し、その上に極薄のInPキャップ層を設けたうえで、インジウムバンプによって読み出し回路(ROIC)へ接合するというものである。シリコンイメージセンサのようにモノリシックに作れず、化合物半導体の受光部とシリコンの読み出し回路を別々に作って貼り合わせる必要がある。この専用の製造工程が理由で、他の方式のカメラに比べて解像度が制約され、コストが高くなる。感度波長域を可視側へ広げる薄膜InGaAsフォトダイオードなど、構造面の改良が研究されている。

産業での位置づけ

医療分野では、血管系やリンパ系、腫瘍の生体内イメージングに用いられている。ほかに、材料の透過性の違いを利用した産業検査や選別が主な用途である。コスト低減と画素の微細化が普及の律速要因であり、これを回避するために量子ドットなど別方式の受光層も検討されている。