薄膜ニオブ酸リチウム

Thin-Film Lithium Niobate (TFLN)

絶縁層の上に薄いニオブ酸リチウム層を設けた集積フォトニクス基盤。CMOS互換の低電圧、超広帯域、低損失を同時に満たす電気光学変調器を作れる。

詳細

薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN、lithium niobate on insulator)は、絶縁酸化物層の上に薄いニオブ酸リチウム層を配した集積フォトニクス基盤である。バルクのニオブ酸リチウム変調器がもつ大型・高駆動電圧という制約を解消する。

高速変調器に適する理由 — 素子直下の絶縁層が、マイクロ波信号と光信号の伝搬速度を揃える速度整合に効く。原著論文では酸化物厚さ約4,700nmで速度整合が得られるとしている。

この構造により次の3点を同時に満たせる。

  • CMOS互換の駆動電圧(低消費電力)
  • 超広帯域の電気光学応答(論文では210Gbit/sを実証)
  • 低い光損失(オンチップで0.5dB未満)

シリコン、インジウムリン、ポリマーを用いた従来の集積基盤では、材料固有の制約からこの3点を同時に満たせなかった。