Type 1 Diabetes (T1D)
米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)は、1型糖尿病を、体がインスリンをほとんど、あるいはまったく作らなくなったときに生じる疾患と説明している。インスリンは血糖を細胞へ取り込ませてエネルギーとして使わせるホルモンであり、不足すると血中の糖が細胞へ入れず、細胞はエネルギーを欠き、血糖値が上昇する。
発症の原因は免疫系の問題にある。免疫系は本来は感染と戦うものだが、1型糖尿病では膵臓にあるインスリンを作る細胞を破壊する。健常な細胞を免疫系が攻撃するこの現象は自己免疫と呼ばれ、NIDDK は1型糖尿病を自己免疫疾患と位置づけている。ほとんどの患者は血糖値を管理し生命を保つために毎日インスリンを投与する必要がある。合併症として、インスリン不足により脂肪がエネルギー源として使われてケトンが生じる糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と、血糖の低下を自覚できなくなる無自覚性低血糖が挙げられており、いずれも直ちに治療を要する緊急事態とされる。
NIDDK は、2021年に米国の20歳以上の成人約170万人(診断された糖尿病患者の5.7パーセント)が1型糖尿病でインスリンを投与していたとし、糖尿病患者全体の5〜10パーセントが1型糖尿病であるとする。20歳未満では2021年に約30万4千人の小児・若年者が1型糖尿病であり、この20年間で若年者の患者数は増加している。日々の投与量を食事、身体活動、その時点の血糖値に合わせる必要があることから、同研究所はインスリンポンプや血糖測定器といった機器・技術が患者を支える手段になると述べている。