Virtual Power Plant (VPP)
米国エネルギー省(DOE)の「Pathways to Commercial Liftoff」報告は、仮想発電所(VPP)を分散型エネルギー資源の集合体として電力の需給を均衡させるものと定義し、対象として「需要家設置の蓄電池を伴う屋根置き太陽光、電気自動車と充電器、スマートビルとその制御機器、可制御な商業・産業負荷」を挙げている。個々の設備は小規模でも、束ねて制御することで「従来の発電所と同様に、系統規模かつ系統品質のサービスを提供できる」とされる。
同報告が挙げる動作例には、機器の過負荷を避けるためのEV充電タイミングの移動、ピーク需要時に蓄えた太陽光電力を供給すること、太陽光の出力抑制を減らすために分散蓄電池を充電すること、商用EVの電池から系統へ放電すること、電力品質を保つためのアンシラリーサービスへの寄与が含まれる。実装には、需要家設備の遠隔制御、通信と計量、応動の検証、系統運用者の市場ルールへの適合が必要になる。
DOEは2030年までにVPPを80〜160GW規模へ、現行の3倍に拡大すれば系統容量を拡張しつつ年間およそ100億ドルの系統コストを削減できるとしている。家庭用蓄電池を自ら設置・運用し、集合体として系統サービスの対価を得る事業モデルは、この枠組みの上に成立している。