Antisense Oligonucleotide (ASO)
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、標的とするRNAの配列に相補的な短い合成一本鎖核酸である。出典の総説は、ASOの作用を細胞内への到達と分布(ハイブリダイゼーション前)、標的RNAとの結合、結合後の作用の三つの段階に分けて整理している。
結合後の作用は大きく二系統に分かれる。DNA様の骨格を持つASOは、RNA-DNAヘテロ二本鎖を認識する酵素RNase H1を介して標的RNAの切断を導く。出典では、細胞内のASO活性に関与するのはRNase H1であり、クロマチンに結合しているRNase H2は関与しないと説明されている。もう一つの系統は、切断を伴わずに標的部位を立体的に覆う型で、スプライシングの選択を変える用途や、上流のオープンリーディングフレームに作用して翻訳を高める用途が挙げられている。細胞内での分布も効果を左右し、リソソームやPボディなどではASOが働かない部位として記述されている。ホスホロチオエート化などの化学修飾は、ヌクレアーゼ耐性やタンパク質との相互作用に影響する。
低分子や抗体では狙いにくい標的に対し、配列情報から設計できる点が特徴である。全身投与、局所投与、物理的送達など投与経路の工夫と組み合わせて開発が進む。RNA干渉を用いるsiRNA医薬とは作用機序が異なり、設計と修飾の方針も別に検討される。