Biopesticide
米国環境保護庁(EPA)の説明によれば、生物農薬(biopesticides)には、有害生物を防除する天然に存在する物質(生化学農薬)、有害生物を防除する微生物(微生物農薬)、および遺伝物質を加えられた植物が産生する殺虫性物質(植物内殺虫性物質、PIP)が含まれる。すなわち、化学合成された有効成分ではなく、生物そのものや生物に由来する物質を用いて有害生物を抑える農薬の総称である。
同説明によれば、生物農薬は三つの区分で捉えられる。生化学農薬は天然に存在する物質で有害生物を防除するもの、微生物農薬は微生物そのものが有害生物を防除するもの、PIPは遺伝物質を導入した植物が体内で産生する殺虫性物質である。EPAは有効成分ごとに一覧を公開しており、そこには細菌 Bacillus amyloliquefaciens の菌株を有効成分とする生物殺菌剤や、Bacillus thuringiensis 由来のタンパク質とその産生に必要な遺伝物質を導入した作物のように、微生物農薬とPIPの双方の実例が含まれる。
同説明によれば、米国では農薬を販売・使用する前に、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)に基づいてEPAがその農薬を評価し、使用が人の健康と環境に不合理な害の危険をもたらさないことを確認することが求められる。またEPAは、連邦食品・医薬品・化粧品法(FFDCA、食品品質保護法により改正)に基づき、食品や飼料中の農薬残留について害がないと合理的に確実といえるかを判断し、残留基準(トレランス)またはその適用除外を定める。さらに生物農薬の登録に際しては、絶滅危惧種法を遵守し、listed species の存続を脅かしたり、指定された重要生息地を破壊・改変したりするおそれがないことを確認する必要があるとされる。