Gallium Nitride Power Device (GaN)
窒化ガリウム(GaN)を用いたパワーデバイス。Journal of Applied Physicsのレビューは、GaNが商用のパワー半導体材料の中で最も広いエネルギーギャップ(3.4eV)、最大の臨界電界、最高の飽和速度を持ち、高温動作にも耐えると整理している。
主流の構造はAlGaN/GaNヘテロ接合を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。同レビューによれば、自発分極とピエゾ分極により不純物ドーピングなしに二次元電子ガスが形成され、2000cm2/Vsを超える移動度と高いチャネル密度が得られる。寄生容量が小さくスイッチング損失を抑えられるため、1MHzを超える動作周波数が可能とされる。一方で横型のヘテロ構造デバイスは本質的にノーマリオンであり、安全性の観点から、カスコード接続、p-GaNゲート、ゲートリセス、フッ素処理などでノーマリオフ化が図られている。トラップに起因する電流コラプスや時間依存の絶縁破壊など、信頼性の理解が課題として挙げられている。
同レビューは、200Vから900V級の商用デバイスがDC-DCコンバータ、モータドライブ、ワイヤレス給電などに使われていると述べている。高い周波数で動作させられると受動部品を小さくできるため、電源装置全体の体積と重量が下がる。より高い耐圧と大電流を担うSiCとは、想定される用途の帯が分かれている。