Gene Therapy
米国食品医薬品局(FDA)は、ヒト遺伝子治療(human gene therapy)を、遺伝子の発現を改変もしくは操作すること、または治療目的で生細胞の生物学的性質を変えることを目指すものと定義している。作用の道筋として同局は3つを挙げる。疾患の原因となる遺伝子を健常なコピーで置き換えること、正しく機能していない原因遺伝子を不活化すること、疾患の治療を助ける新規または改変した遺伝子を体内へ導入することである。
FDA は遺伝子治療製品の型として次を挙げている。治療用の遺伝子をヒト細胞へ運ぶよう設計された環状DNA分子であるプラスミドDNA、疾患を起こす能力を取り除いたうえで治療用の遺伝物質の運び手として転用したウイルスベクター、病原性を除いたうえで運び手として用いる細菌ベクター、そして遺伝子編集技術である。遺伝子編集技術については、有害な遺伝子を破壊すること、または変異した遺伝子を修復することが目的だと説明されている。さらに、患者から細胞を取り出し、多くはウイルスベクターを用いて遺伝的に改変したうえで患者へ戻す、患者由来の細胞性遺伝子治療製品という型がある。
FDA は、ヒトでの臨床試験の前に治験薬申請(IND)の提出を、市販にあたっては生物学的製剤承認申請(BLA)を求めている。加えて同局は、遺伝子治療の投与後の長期追跡に関する指針を示している。導入した遺伝物質が体内に長く留まりうることが、通常の医薬品と異なる規制上の扱いを生んでいる。製品の型が体内へ直接投与するものと患者由来細胞を体外で加工するものに分かれることは、製造の設備・工程・費用の構造がまったく異なることを意味する。