ゲノム編集

Genome Editing

米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)は、ゲノム編集を、植物・細菌・動物を含む多くの生物のDNAを科学者が変えられるようにする方法と説明する。技術ははさみのように働き、特定の箇所でDNAを切断し、そこでDNAを取り除く、加える、置き換えるといった操作を行う。2009年に考案されたCRISPRは、従来の手法より単純で速く安価かつ正確とされる。

詳細

概要

米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)は、ゲノム編集を、植物、細菌、動物を含む多くの生物のDNAを科学者が変えられるようにする方法と説明している。DNAを変えることで、生物の身体的な特徴や疾患へのかかりやすさが変わりうる。

技術的な要点

NHGRI の説明では、これらの技術ははさみのように働き、特定の箇所でDNAを切断する。そのうえで科学者は、切断した場所のDNAを取り除く、加える、置き換えることができる。2009年に考案されたCRISPRは、それ以前のゲノム編集手法より単純で、速く、安価で、正確であるとされ、現在の研究で広く用いられている。治療への適用は体細胞を対象とするものと生殖細胞系列を対象とするものに分かれる。体細胞を対象とする治療は生殖に関わらない細胞を改変するため、その影響は治療を受けた本人にとどまる。生殖細胞系列を対象とする編集は精子や卵子を改変するため、変化が世代を超えて受け継がれる。安全性と世代を超える影響を理由に、生殖細胞系列の編集には現時点で科学界が反対の立場を取っているとされる。

産業での位置づけ

NHGRI は、研究の場ではマウスやゼブラフィッシュなどの動物にゲノム編集を用いてヒトの疾患を調べていることを挙げ、実例として難聴に関わる遺伝子をゼブラフィッシュで研究している例を示している。治療への適用では、2015年に白血病の小児が実験的な体細胞遺伝子治療を受けた例が挙げられているが、こうした適用はなお実験的であり、安全性、アクセスの公平性、用途の適切さをめぐる倫理的な論点を伴うとされる。編集の対象が体細胞か生殖細胞系列かという線引きが、そのまま規制と社会的受容の線引きになっている。