逆設計

Inverse Design

組成・プロセス・組織・特性の関係を通常とは逆向きにたどる材料設計の考え方である。既知の材料から特性を予測する順方向の手法に対し、必要な特性を先に指定し、それを満たす組成や結晶構造を生成する。生成深層学習では潜在空間の構成、生成手法、特性制約の与え方が要素技術となる。

詳細

概要

逆設計は、材料の組成・プロセス・(微視)組織・特性の関係を逆向きに評価する設計手法である。既知の材料について特性を予測し候補を順に絞り込む従来の流れに対して、逆設計では要求する特性の側から出発し、それを満たす組成や構造を求める。問いの立て方が「この材料はどんな特性を示すか」から「この特性を得るにはどんな材料をつくるべきか」へ反転する点が本質である。

技術的な要点

生成深層学習を用いる実装は、組織と特性の対応づけを軸として、三つの要素から構成される。第一に結晶構造や微視組織を表現する潜在空間の構成、第二に生成学習の手法、第三に特性に関する制約の与え方である。潜在空間上で制約を課しながらサンプリングすることで候補を生成するが、生成された構造がそのまま実在・合成可能とは限らないため、合成可能性の制約を課したうえで計算による評価を通し、実験検証につなげる流れをとる。探索空間の広さ、学習データの偏り、生成物の物理的妥当性の担保が主な課題である。

産業での位置づけ

触媒、分離膜と吸着材、電池材料、半導体材料、コーティングなど、要求特性を定量的に書き下せる分野で適用が進んでいる。材料開発の期間短縮を狙う手法として、計算による特性評価、実験の自動化、既存の材料データベースと組み合わせて運用されることが多い。