磁場閉じ込め核融合

Magnetic Confinement Fusion (MCF)

強い磁場によって電離した荷電粒子であるプラズマを容器壁から隔離し、核融合反応に必要な高温・高密度状態を一定時間保持する方式である。単純なドーナツ状磁場では粒子が漂って逃げるため磁力線をらせん状にねじる必要があり、その作り方の違いによってトカマクとステラレータという代表的な二つの装置形式に分かれる。

詳細

概要

核融合反応を起こすには、燃料を一億度級の高温にしてプラズマ状態にし、その状態を一定時間保つ必要がある。国際原子力機関(IAEA)は、科学者が「プラズマを操作するために磁場閉じ込め装置を用いる」と説明している。プラズマは電子とイオンに電離しているため磁力線に巻きつく性質があり、これを利用して荷電粒子を物理的な壁に触れさせずに閉じ込める。

技術的な要点

単純なトーラス(ドーナツ形)磁場では磁場強度の不均一によって粒子が漂って逃げるため、磁力線をらせん状にねじる必要がある。IAEAの解説によれば、トカマクは電場によってプラズマ中に電流を流し、その電流が作るポロイダル磁場とトロイダル磁場を重ね合わせてらせん構造を得る。一方ステラレータでは「コイル自体をねじることで、変圧器を用いずにらせん形状を作り出す」ことができる。閉じ込め性能はエネルギー閉じ込め時間、プラズマ密度、温度の積で評価され、磁場強度を高めるほど装置を小型化できるため、高温超伝導線材による強磁場マグネットの開発が進む。

産業での位置づけ

慣性閉じ込め方式と並ぶ核融合の二大路線であり、ITERをはじめとする国際共同プロジェクトの中心である。装置形式ごとに超伝導マグネット、真空容器、ダイバータ、トリチウム増殖ブランケットなどの要素技術が必要で、公的研究機関と民間企業が分担して開発を進めている。