Materials Informatics (MI)
マテリアルズインフォマティクスは、NIMSが「データ科学と材料科学を融合した新しい材料科学」と説明する研究領域である。蓄積したデータから機械学習で物性を予測し、新物質の発見につなげることを目的とする。
NIMSのデバイス材料設計グループでは、三つの手法を組み合わせている。第一に、第一原理計算を自動化して探索用のデータを生成し、実験データと合わせて機械学習モデルを構築する。ここでは予測の効きを左右する記述子(ディスクリプタ)の選定が重要になる。第二に、コンビナトリアル材料合成によるハイスループット合成で、多元系酸化物などの実験データを系統的に収集する。第三に、ハイスループット計測で得た分光データからスパースモデリングなどを用いて物性や特徴量を抽出する。データ量が増えるほど解析側が律速になるため、計測データの処理手法自体も研究対象になっている。
材料開発は候補の合成と評価に時間がかかるため、計算とデータで候補を絞ってから実験に進む順序をとる意味が大きい。NIMSでは半導体関連の誘電体材料や電極材料、多元系酸化物を対象に、計算で予測した候補を実験で検証する流れを実践している。データをどう整備し、どこまで共有するかが取り組みの成否を分ける要素になる。