Medium Earth Orbit (MEO)
中軌道(MEO)は、低軌道(LEO)と静止軌道(GEO)の中間にある高度帯を指す。欧州宇宙機関(ESA)は、MEOをLEOとGEOの間の幅広い高度範囲とし、通常はヴァン・アレン帯の上に取られると説明している。参照として、LEOは高度2,000 km以下で衛星は一般に180 kmより低くは飛ばず、GEOは高度35,786 kmで公転周期は23時間56分4秒である。MEOはこれらの間に位置するため、単一の高度値ではなく帯として扱われる。
MEOはLEOより高度が高いぶん一機あたりの地表可視範囲が広く、全球をカバーするのに必要な衛星数が少なくて済む。一方でGEOほど遠くないため伝搬遅延と自由空間損失はGEOより小さい。地上から見ると衛星が動くため、追尾可能なアンテナかビーム走査が必要になる。設計上の制約として、ヴァン・アレン帯の内側・外側帯に近い放射線環境があり、部品の耐放射線設計と積算線量に対する裕度確保が求められる。
MEOは測位衛星に広く用いられており、欧州のGalileoが代表例である。ESAはGalileoが世界中で航法サービスを提供し、大型旅客機の追跡からスマートフォンの経路案内までを支えていると説明している。近年は、全球到達性とネットワーク性能の両立を狙って通信コンステレーションをMEOに配置する事業も現れ、高出力・大質量の衛星バスの需要先となっている。