NISQ

Noisy Intermediate-Scale Quantum (NISQ)

量子誤り訂正による保護を受けていない、50から数百量子ビット規模の量子計算機を指す語。Preskillが2018年の論文で提唱した。制約は量子ビット数ではなくゲート雑音にあり、雑音が結果を覆い隠すまでに実行できるゲート数は約1000程度と見積もられている。深い回路を要するアルゴリズムは動かせない。

詳細

概要

Preskillは論文「Quantum Computing in the NISQ era and beyond」(Quantum 2, 79, 2018)で、50から数百量子ビット規模で、かつ量子誤り訂正による保護を受けていない装置をNISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)と呼んだ。同論文は50量子ビットを重要な節目としている。

技術的な要点

NISQ装置の制約は量子ビット数ではなく雑音である。同論文は2量子ビットゲートあたりの誤り率が0.1%を上回る状況を前提としており、雑音が計算結果を覆い隠すまでに実行できるゲート数は約1000程度と見積もっている。つまり回路の深さに上限があり、深い回路を必要とするアルゴリズムは動かせない。

産業での位置づけ

同論文は、NISQ装置は多体量子物理を探索する道具としては価値があるが、社会を変えるような応用が現れるのは数十年先になりうるとし、より精度の高い量子ゲートと最終的な誤り耐性量子計算に向けた努力を続けることの重要性を強調している。技術評価においては、NISQ段階で実現できることと、誤り訂正が動く段階で実現できることを分けて扱う必要がある。