Single-Atom Catalyst (SAC)
単原子触媒は、金属を原子1個の単位で担体表面に孤立させて分散させた不均一系触媒である。2011年に Qiao らが Nature Chemistry に報告した Pt1/FeOx が代表例で、酸化鉄ナノ粒子の上に白金原子を孤立担持している。
通常の金属ナノ粒子触媒では表面に露出した原子だけが反応に関与し、内部の原子は働かないため利用効率が低い。単原子化により金属原子のほぼすべてを活性点として使えるようになり、この報告では極めて高い原子利用効率が示された。Pt1/FeOx は一酸化炭素の酸化と、水素中の一酸化炭素の選択的な酸化のいずれでも高い活性を示し、試験中の安定性も保たれている。計算からは、正に帯電した高原子価の白金がもつ部分的に空いた5d軌道が、酸化反応の活性化障壁を下げていると説明されている。
この報告が対象とした一酸化炭素の酸化と水素中の一酸化炭素除去は、排ガス浄化や燃料電池向け水素の精製に関わる反応である。白金族金属は産出地が偏在し価格の変動も大きいため、使用量あたりの活性を高める手法として貴金属削減の文脈で扱われる。孤立させた原子は凝集しやすく、担体との相互作用をどう設計するかが実装上の要点になる。