Small Modular Reactor (SMR)
小型モジュール炉は、IAEAの定義では1モジュールあたり最大300MW(e)の電気出力をもつ先進原子炉を指す。従来の大型軽水炉が現地での大規模建設を前提とするのに対し、SMRは主要機器を工場でモジュールとして製造し、輸送して据え付ける方式を想定する。単一モジュールのプラントとしても、複数モジュールを並べたプラントとしても構成でき、需要に応じて容量を段階的に追加できる。
設計上の特徴は、モジュール性、固有安全性および受動的安全機能にある。受動的安全機能とは、外部電源やポンプなどの能動的機器に依存せず、自然循環や重力といった物理現象によって冷却・停止を成立させる考え方である。IAEAは、こうした特徴により従来型炉より高い安全性能が期待されるとしている。炉型は軽水炉型に限らず、ガス冷却型や溶融塩型など多様であり、冷却材と燃料形態の選択が出力密度と熱利用温度を左右する。IAEAによれば世界で80を超える設計が存在し、アルゼンチン、中国、ロシアで建設が進んだ段階にある。
初期投資額を抑えられる点、系統が脆弱な遠隔地に適用できる点、変動性再生可能エネルギーとの組み合わせが可能な点が利点として挙げられる。データセンターや産業プラントへの需要地直結型の電源としても検討が進む。