ステラレータ

Stellarator

外部に配置した超伝導コイルだけでねじれた磁力線構造を作り出し、高温プラズマを閉じ込める磁場閉じ込め核融合装置の一形式である。プラズマ中に正味の電流を流す必要がないため原理的に定常運転が可能で、電流の急激な喪失も起きにくい。一方でコイルとプラズマの形状が三次元的に複雑になり、磁石の製造性が実用化の課題となる。

詳細

概要

ステラレータは、磁場によって高温プラズマを閉じ込める核融合装置の方式のひとつである。マックス・プランク・プラズマ物理研究所(IPP)は、ステラレータでは「磁気の檻がプラズマ中の正味の縦方向電流なしに、単一のコイル系によって作られる」と説明している。トカマクが変圧器作用でプラズマ電流を誘起し、その電流が作る磁場と外部コイルの磁場を重ねてねじれた磁力線を得るのに対し、ステラレータは必要な磁場をすべて外部コイルで与える。

技術的な要点

プラズマ電流を必要としないため、変圧器の充放電に伴うパルス運転の制約がなく、原理的に定常運転が可能である。電流駆動に起因する電流ディスラプション(急激な閉じ込め喪失)のリスクも小さい。一方でトカマクのような軸対称性が失われるため、コイルとプラズマ形状は三次元的にねじれた複雑なものとなる。IPPは、この自由度が磁場特性の最適化余地を広げる面もあると述べており、最適化配位の実証装置としてWendelstein 7-Xを運転している。近年は複雑な三次元コイルを、平面コイルの配列と電流制御の組み合わせで代替し、製造性を高める設計手法も検討されている。

産業での位置づけ

核融合開発ではトカマクが主流であり、ITERもトカマク方式である。ステラレータは定常運転性と制御の安定性を利点とする代替路線として位置づけられ、民間の核融合スタートアップにも採用例がある。コイル製造の難易度が実用化の主要な課題であり、超伝導線材や磁石の量産技術と密接に結びつく。