アクティブフェーズドアレイアンテナ

Active Electronically Steered Array (AESA)

多数のアンテナ素子を配列し、素子間の相対位相を電子的に制御してビームを形成・走査するアンテナ。機械的な駆動を用いずにビーム方向をほぼ瞬時に切り替えられ、サブアレイごとに独立して制御することで、複数のビームを同時に別方向へ指向できる点が特徴である。

詳細

概要

アクティブ電子走査アレイ(AESA)は、米国防関連の技術情報機関DSIACの解説によれば「アンテナ素子の2次元配列」から成り、「素子間の位相差を調整することによって電子的に制御される」アンテナである。機械的に回転させる従来型アンテナを置き換える構成として説明されており、アンテナ構造自体は固定したままビーム方向を広い角度範囲にわたって振ることができる。

技術的な要点

同解説は「個々のアンテナ素子の配列における相対位相を調整して、特定の方向にビームを形成し操向する」と述べている。またサブアレイ単位で独立に制御できるため、「各サブアレイが同時に異なる方向へビームを向けられる」。ビームは静止させることも、方位角や仰角方向に掃引させることもでき、方向の切り替えはほぼ瞬時に行える。設計上は素子ごとの位相・振幅制御回路、放熱、素子間結合の抑制、開口効率の確保が課題となる。

産業での位置づけ

レーダに加えて、衛星通信のペイロードや地上端末で採用が進んでいる。低軌道の衛星は地上から見た見かけの移動が速く、機械駆動では追随が難しいため、電子走査によるビーム制御が前提となる。軽量化と製造コストの低減が導入の鍵で、金属3Dプリンティングによる導波管・アンテナ構造の製造もその手段として用いられる。