Autonomous Mobile Robot (AMR)
固定された誘導路をたどるのではなく、自ら経路を生成して移動するロボットを指す。米国では2020年にRobotic Industries Association(現Association for Advancing Automation)がANSI/RIA R15.08-1-2020を発行し、訓練された作業者に立ち入りが限られる職場で稼働する産業用移動ロボット(IMR)の安全要求を定めた。固定設置ロボットを対象とするR15.06や、AGVを対象とするB56.5では扱えない範囲を補う位置づけである。
同規格は産業用移動ロボットを3種類に分類する。タイプAは走行機能のみを持つ自律プラットフォーム、タイプBはタイプAにマニピュレータ以外の付属装置を搭載したもの、タイプCは移動プラットフォーム上に産業用ロボットアームを搭載した移動マニピュレータである。AGVがあらかじめ定められた誘導路上を走行するのに対し、AMRは構造化されていない空間を自由に移動する点が本質的な違いであり、環境条件が変化する中でのセンサの信頼性や、移動体とマニピュレータを組み合わせたときの安全確保など、固定設置では生じない課題を規格が扱う。
物流倉庫、製造現場の工程間搬送、院内搬送などで導入が進む領域である。走行の自律性そのものより、上位の在庫管理・生産管理システムとの統合と、複数台を同時に運用する群制御が価値を決める。安全規格への適合は市場参入の前提条件となる。